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頑張れ東北!みちのくの光は消えず~2003.1.1

頑張れ東北!みちのくの光は消えず~2003.1.1

006「お前は人間じゃない」

2015年8月30日、法政大学の山口二郎教授は国会議事堂前での安保法案抗議集会で「安倍に言いたい!お前は人間じゃない!叩き斬ってやる」と発言した。この4日前、8月26日のツイッターでは「今日は、学者の会の会見、日弁連の会見、日比谷野音の集会とデモに参加し、一日中安保法制反対を叫んだ。日本政治の目下の対立軸は、文明対野蛮、道理対無理、知性対反知性である。日本に生きる人間が人間であり続けたいならば、安保法制に反対しなければならない」と呟いている。
 山口発言について、常磐大学の岩田温教授は「政治に関与する人間は、自らの正義に陶酔するあまり、敵対者を悪魔化する傾向がある」「安保法案に賛成するにせよ、反対するにせよ、敵対者を悪魔化、非人間化して攻撃するような愚かな真似はすべきでない。反対の声をあげるなら、頭を冷やして、冷静に反対の声をあげるべきだ」と述べ、その人権感覚の低さを批判している。
 9月1日、評論家の石平が「平和を語る資格」について産経新聞に寄稿し、こうした言葉の暴力を嘆いた。
・山口二郎法政大教授は安倍晋三首相に対し「お前は人間じゃない」との暴言を吐いた。時代劇の決めぜりふからの借用らしいが、現代の人権感覚からすれば、それは明らかに、安倍晋三という一個人に対する言葉の暴力である。
・反安保法案運動が始まって以来、映画監督の宮崎駿氏は安倍首相のことを「愚劣」と罵倒し、日本学術会議前会長で専修大教授の広渡清吾氏は7月末に安倍首相のことについて「バカか嘘つきか」と二者択一の手法でののしった。学生団体「SEALDs(シールズ)」の中核メンバーの奥田愛基氏に至っては、8月の連合主催の国会前での安保集会で「バカか、お前は」と罵声を安倍首相に堂々と浴びせた。
・反安保法案運動はそのしかるべき趣旨から逸脱して理性と節度を失い、単なる安倍首相に対する「怨念の個人攻撃」へと変質した。このような「平和運動」はもはやその名に値しない。言葉の暴力を平気で振るうような人間たちに、「平和」を語る資格はどこにあるのか。(中略)言葉の暴力を容認するような「リベラル」はリベラリズムと言えるのか」
と、石平の分析は実に冷静で、的確である。
 石平は1988年4月から日本へ留学し、1989年の天安門事件を契機に共産党支配下の中国には帰らない決意を固めた。2007年に日本国籍を取得し、保守論壇で活躍している。
・今から26年前、私の世代の多くの中国人青年が北京の天安門広場でそれこそ命がけの民主化運動を展開した。
・しかしわれわれは、本物の独裁者の鄧小平に対しても「お前は人間じゃない」といった暴言を吐いたことはない。われわれはただ、民主化の理念を訴えただけだった。だから、民主化運動が鄧小平の解放軍に鎮圧されたとしても、われわれには誇りが残った。
・民主主義社会の中で「鎮圧」される心配のない日本の反安保法案運動に参加している皆さんも、このような誇りを持ってしかるべきではないだろうか。
との指摘には、学ぶべきものがある。



 元ネタは「破れ傘刀舟」の「てめぇたちゃ、人間じゃねぇ。叩っ斬ったる」だが、ドラマの中で斬られるのは真の悪人たち。それにしても、一国の総理を罵倒できるほど偉い人たちが多いんだな。


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